SARUYA ARTIST IN RESIDENCEコンセプト

SARUYA ARTIST IN RESIDENCE(SARUYA AIR)は、富士吉田の伝統産業である織物や、富士山の森が育む多様な生態系を背景に、芸術活動や思想を深めたいアーティスト、またその魅力に惹かれる作家たちが集い、創作活動を行う場です。
自然豊かな富士山麓で滞在しながら制作に専念できるスペースを提供し、宿泊期間は1ヶ月から最長3ヶ月まで滞在可能です。2017年以降は世界各国から200名以上のアーティストに利用され、国境を越えて文化や芸術を分かち合う場として営んでいます。

滞在中は、テキスタイルを用いた芸術活動や、森や街の日常をテーマにした芸術活動を中心に、映像、音、ダンス、文学、イラスト、グラフィックなど幅広い分野で活動できます。

個々のコンセプトを追求するための柔軟なスケジュール設計やプロジェクト進行が可能です。また、作品発表の機会や地域との交流の場も提供し、ここでの時間がアーティストにとって新たな発見と創造の源泉となることを大切にしています。

さらに、作家にとっての“非日常”であるここでの生活が、やがて“日常”の延長と感じられるように、SARUYA AIRは地域の産業や富士山周辺の山々の生態を紹介し、地域の人々との交流を積極的に図ります。こうして築かれたつながりが、アーティストにとって将来の活動拠点の一つとして息づく場所であり続けることを目指しています。

SARUYA ARTIST IN RESIDENCEへのご応募お待ちしております。

スタジオ

館内にはスタジオ作業スペースをご用意しております。宿泊部屋と共有のスペースとが隣接しています。1人一台の専用作業台を用意しています。

部屋

1階には共有スタジオ、2階には4部屋の宿泊部屋をご用意しております。全部屋、障子と畳が完備された和室で、布団が備え付けられています。

詳細

  • 滞在期間:1ヶ月~3ヶ月
  • 作業スペース(スタジオ):共有スペース(キッチン、ラウンジ)/個人作業スペース(状況に応じて変更できます)
  • 宿泊:建物に4部屋
  • 食費、交通費、材料費はプランには含まれていません

宿泊プランの料金は条件によって異なります。お部屋の種類、滞在期間や参加人数に応じて変動いたします。

1ヶ月あたりの基本料金は、¥132300~です。詳しいご相談はお気軽にお問い合わせください。

この土地に関して

富士吉田とは

富士吉田は、山梨川で唯一の富士登山口を持ち、湧水を活用し発展した織物産業がある観光と織物によって成り立ってきました。

吉田口登山道は唯一麓からのルートが大事に受け継がれ、当時の道が今日に至るまで守られています。富士山信仰の影響でこの地は盛り上がり、観光客を対象にした商売が増え、上吉田、下吉田ともに商業エリアとして発展しました。江戸時代に甲斐絹により織物産業が脚光を浴び、地域経済を支える地場産業となります。

また、江戸時代には「贅沢禁止令」というものが出され、派手な着物を着ることができなくなりました。その中で、外から見ても気が付かれないよう裏地で遊ぶことが流行となり、機織り産業の技術が花開き商業として発展していきました。

富士からの恩恵を湧水として受けたこの地では、水路がまちの形成に重要な役割を果たしており、機織りと農業を両立させている家も多くあります。水を活かした水耕栽培で麦を育て「吉田のうどん」の文化が定着していきました。

富士山

数千年単位の活動により、溶岩流で縦にも分断された富士山には生と死の境界があります。

溶岩流の通り道では植生が薄く、溶岩流が流れなかった台地には広葉樹が広がるような生態系があります。それは、青木ヶ原樹海や剣丸尾溶岩流の境目です。またお胎内と呼ばれる溶岩流の流れた洞窟や溶岩樹形、天地の境と呼ばれる森林限界やお中道。これらの自然の造形に人々は魅入り、意味や信仰が築かれてきました。

富士吉田の機屋

・Tenjin Factory 70年以上培った技術を生かして、日本人の生活になじむようにデザインされたリネン生地を作っています。リネンは茎から繊維を取得するため、花や葉を使わないことなどから、生態系への影響や土壌汚染が少ないと言われています。そこで、Tenjin Factoryはリネンを活用することで、環境に配慮し、日常生活に調和する生地の製造に注力しています。

素材: コットン、リネン

・watanabe textile 当主の3代目・渡邊竜康は建築、写真、アートを創作の背景に持ち、自然素材を中心としたテキスタイルの新たな可能性を追求し、デザインから織りまで自身で手がけています。 シンプルな組織を織るのに適したドビー織機を使い、キュプラを軸に様々な自然素材を織り交ぜながら、独自の生地の開発を進めています。
素材: 和紙、アルパカ、シルク、コットン、リネン、カシミア、ウール、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、キュプラ

・船久保織物 1924年に創業以来、傘生地を中心に様々な生地・模様を織り続けています。「ほぐし織」を得意としており、タテ糸を染め上げてから仮織りしていたヨコ糸をほぐして抜き、織り上げることで生地の柄がかすれ、柔らかく奥行きを感じる織物に仕上がるのを特徴とします。
素材 シルク、コットン、リネン、ポリエステル

・前田源商店 1921年に創業し、100年以上続く歴史を持っています。1990年代にオーガニックコットンと出会い、その素材の素晴らしさと可能性を世に広めるため、オーガニックコットンの生地製造に転換しました。100年続く高い技術をもとに、オーガニックコットンを使った生地の製造を続けています。
素材:オーガニックコットン

ほかにも沢山の機屋さんが制作を続けています。

レジデンスの場所
〒403-0004 山梨県富士吉田市下吉田3-28-8
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東京・羽田空港から空港から直接バスで富士山駅まで

東京・成田空港から成田エクスプレスで新宿へ
その後、新宿からバスで富士山駅まで

大阪から富士吉田へ:高速バスまたは電車

三島から富士吉田へ高速バス(三島は新幹線の停車駅です)

The Residency Story

代表プロフィール

八木毅(やぎつよし)は4年間名古屋で油絵を専攻後、フランスの芸術学校でさらに4年間アートを学びます。卒業後、日本文化とアートの架け橋となるべく日本に帰国。
東京のデザイン会社で働いた後、空き家をリノベーションしてホステルへと

変化させました。地域の木工技術や素材を活かして細部までデザインにこだわり、現代文化と日本の伝統文化、特に富士吉田を意識した雰囲気が融合した空間を提供しています。

アーティストレジデンスの始まり

八木毅が手がけたプロジェクトの1つが、このSARUYA ARTIST IN RESIDENCEです。富士吉田の人々が、アートを身近に感じ、体験できる機会を作るために設立しました。1ヶ月に1回行われるOpen StudioやOpen Atelierでは、地域住民の方々をお呼びして作品を鑑賞し、アーティストとの交流ができる場を提供しています。 2020年から提携しているパートナーとともに、日本工芸と芸術のコラボレーションの幅を広めていきます。

協賛

南條史生

SARUYAは南條史生さんなど、クリエイティブな人物との連携を大切にしています。彼は東京森美術館の監督を15年間務め、現在はシニアアドバイザーとして活躍されながら、多数の美術館を運営する会社を経営しています。南條さんは2020年から個人協賛として連携を始めました。

ロフトワーク

株式会社ロフトワークはウェブサイト、コンテンツ、コミュニケーション、スペースをデザインする総合制作代理店です。海外で裾野を広げているデジタルクラフトカフェ”FabCafe”や、様々な素材に出会うことのできるクリエイティブラウンジ“MTRL (Material)”を運営しています。

また、オンラインコミュニティawrd.comやクリエイティブラーニングを支援する”OprnCU”を運営しています。

お問い合わせ

レジデンシーに関してご質問・ご相談ごとがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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